スノーボード 選び方 フレックス
今回はスノーボードの板の選び方について、「フレックス」と呼ばれる板の硬さ・柔らかさに着目して解説していきたいと思います。
【以前の記事】で紹介した「ベンド」と呼ばれる板の形状・構造に続いて、板の方は特性や乗り心地に関係してくる要素と言えます。
<スノーボード フレックス>
フレックスとは、スノーボードの硬さ・柔らかさを表す用語です。
各ブランド・モデルで10段階などで、フレックスを数値化していることが多いです。
(同じフレックス"3″の場合でも、ブランドごとの位置付けなので、同じ硬さとは限りません)
今回は、硬い「ハードフレックス」、柔らかい「ソフトフレックス」、中間の「ミドルフレックス」、大きく3つに分類して紹介したいと思います。
スノーボード フレックス <ハードフレックス>
■特徴
フレックスが硬めに設定されているスノーボードは「ハードフレックス」と呼ばれます。
しっかり板が踏めて、高速で滑ることの多い上級者向け・ハイエンドモデルはハードフレックスのものが多いです。
メリット
・安定感が高い。
ハードフレックスのスノーボードは、板が硬い分、スピードが出たときにもバタつきが少なく、高速での安定性に優れています。
・反発力が強い。
硬さ・ハリを活かして乗ると、強い反発力を得ることができます。
クイックなターンの切り替えや、高いオーリー・ジャンプを繰り出すことができます。
・板の反応(レスポンス)が早い
板が硬いので動作に対して、板がクイックな反応をしてくれます。
反応までのタイムラグが無いので、高速での滑走や、コブ斜面などタイトな滑りに対応できます。
デメリット
・上級者向け。
上級者(少なくとも中級者以上)でないと、硬い板をしっかり踏めずに、板の性能を活かすのは難しいです。
メリットとして挙げた反発力の高さや、クイックなレスポンスも、板を操作する技術・筋力が無いと、活かすことができず、ただの取り回しの悪い板という印象になってしまいます。
■どんな人に向いている?
ハードフレックスは上級者にはおすすめできます。
上級者でもカービング・フリーランメインで、高速での安定性や、クイックなレスポンスが必要な方向けです。
初心者・中級者の方や、上級者でもグラトリメインの滑りの方は、ハードフレックスのスノーボードは避けた方が無難です。
■ハードフレックス おすすめモデル
BURTON「CUSTOM X」
スノーボード フレックス <ソフトフレックス>
■特徴
フレックスが柔らかく設定されているスノーボードは「ソフトフレックス」と呼ばれます。
初心者向けのモデルや、グラトリ向けのスノーボードは、ソフトフレックスに設定されることが多いです。
操作性・取り回しの良さが一番の特徴で、低速~中速では乗りやすい板となります。
メリット
・操作性・取り回しが良い。
ソフトフレックスは、柔らかくて操りやすいので、初心者の方でも操作しやすいのが特長です。
・板の反発を使いやすい。
硬めのフレックスに比べて、反発力では劣りますが、軽く踏んでも板のしならせることができて、ソフトフレックスの方が簡単に反発を得ることができます。
デメリット
・安定性が低い。
スピードが出たときや、荒れた雪面では、板がバタついて安定性が無くなりやすいです。
高速になったときに、バタついた板を的確に操作する技術や、板を抑える筋力が必要になります。
・反発力が弱い。
硬い板に比べると反発力が弱くなるので、板を踏んでクイックにターンしたいときや、高いオーリー・ジャンプをしたい方には向きません。
■どんな人に向いている?
ソフトフレックスのスノーボードは、初心者の方や、グラトリメインで滑る方におすすめです。
低速~中速での操作がしやすいので、初心者の方でも、楽しくスノーボードを始められると思います。
■ソフトフレックス おすすめモデル
YONEX「GROWENT」
スノーボード フレックス <ミドルフレックス>
■特徴
ハードフレックスとソフトフレックスの中間に設定されているスノーボードは「ミドルフレックス」と呼ばれます。
ハードとソフトの間であれば、ミドルフレックスの位置付けになるので、同じミドルフレックスの中でも硬め、柔らかめが存在するので、自分の滑りに合わせて選ぶことが必要です。
メリット
・バランスが取れたフレックス。
上級者向けのハードフレックス、安定性の低いソフトフレックスの間の硬さになるので、バランスが良く乗りやすい板が多いです。
ある程度スピードが出てもバタつき過ぎず、低速~中速でもある程度板を踏める技術があれば楽しく乗れると思います。
ハリ・反発もあるので、フリーランからグラトリまで、幅広い乗り方に対応できるモデルがミドルフレックスには多いです。
デメリット
・フレックスの幅が広い
ブランドにもよりますが、ハードフレックス・ソフトフレックスは、極端なものが多く板の硬さや特性が分かりやすいです。
ミドルフレックスは幅が広くなってしまうため、同じミドルフレックスの表記の中でも、柔らかめ・硬めで乗り味や特徴が変わってきます。
ブランドごとに10段階などの数値でフレックスが示されていることが多いので、確認して選ぶことが必要です。
・滑り方(スタイル)が決まっている人には向かない。
高速でのフリーラン・カービングをしたい、グラトリメインでこれから練習、など滑り方が明確になっている場合は、それに特化したフレックスのスノーボードの方が滑りやすく、上達も早くなると思います。
■どんな人に向いている?
1本でいろいろな乗り方をしたい方は、ミドルフレックスのスノーボードがおすすめです。
スピードに乗ってフリーランするときにはある程度安定感があり、低速~中速でのグラトリもできるような、ミドルフレックスの板であれば、オールラウンドで乗ることができます。
中級以上のグラトリメインの方にもミドルフレックスの板がおすすめです。
ソフトフレックスの方が、簡単に板のしなりを使うことができますが、反発力も弱めになります。
ミドルフレックスくらいのハリ・反発力を使うことで、オーリーの高さも出やすく、高回転のトリックもしやすくなります。
中級以上のグラトリをするときは、自然とスピードも出やすくなるので、ソフトフレックスより安定感のあるミドルフレックスくらいの硬さの方が、トリックのアプローチや着地が安定します。
■ミドルフレックス おすすめモデル
RICE28「RT7」
今回はスノーボードの「フレックス」と呼ばれる板の硬さ・柔らかさについて紹介しました。
フレックスはスノーボードを滑る上で、安定感・反発力・操作性などに直結する要素のひとつになるので、板を選ぶ時の重要なポイントになります。
ある程度有名なブランドであれば問題ないですが、3点セットで格安で売っているような謎のブランド(ノーブランド)の初心者用の板は柔らかいだけ、ということもあるので注意が必要です。
(ちゃんとしたソフトフレックスの板は、柔らかくてもちゃんとハリ・反発力がある)
技術レベルや体型・筋力などによって、同じフレックスの板でも、板の特徴を活かせるかなども変わってきますが、板選びのときの参考にしてもらえればと思います。
次回以降の記事でも、スノーボードの選び方をポイント・要素ごとに紹介していきたいと思います。