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スノーボード 選び方 ベンド

今回はスノーボードの板の選び方について、「ベンド」と呼ばれるスノーボードの形状・構造に着目して解説していきたいと思います。

板のどの部分が雪面に接っすることになるかに直結するので、「ベンド」はスノーボードを選ぶ上で、最も重要な要素のひとつと言えます。

<スノーボード 選び方 ベンド>

スノーボードの「ベンド」は毎シーズン新しい形状が開発され、ブランドにより特徴があったり、呼び方が違ったりするので、すべてを網羅するのは難しいです。

基本的な「ベンド」がいくつかあり、基本形からの派生で新しい形状がリリースされることが多いので、まずは基本のベンドを紹介していきます。

スノーボード ベンド <キャンバー>

■形状・構造

両足下(バインディング部分)が接雪していて、板のセンター部分が雪面から浮くような形状になっています。
スノーボードの創設期から現在まで、長年スタンダードな形状として定着しているベンドです。
キャンバーボードを、フラッグシップモデルとしてラインナップしているブランドも多くあります。

■特徴

メリット
・安定感、エッジグリップに優れている。
両足下の部分が接雪しているため、安定感があり、高いエッジグリップが特長です。
ハイスピードや急斜面でもバタつかず、安定した滑りがしやすいです。
・反発力が高い。
スノーボードのセンター部分が浮いている形状のため、板を踏み込んだ時の反発力に優れています。
ターンの切り替えや、ジャンプ(オーリー)の際に、反発を活かして滑ることができます。

デメリット
・エッジが引っ掛かりやすい。
両足下が接雪しているため、緩斜面やエッジコントロールが上手くいかない時に逆エッジになりやすい。
・取り回しが重め。
エッジグリップが良い反面、板の取り回しがしにくいため、低速で遊びながら乗るのにはあまり向きません。

■どんな人に向いている?

安定感・エッジグリップと反発力が特長のキャンバーボードは、高速でのカービングなどしっかり"滑る"スタイルにぴったりです。

反発力を活かして乗れるようになると、ジャンプにも高さが出て、着地の安定性が出るので、キッカーやハーフパイプなどのジャンプ系、高回転のトリックのグラトリなどでキャンバーのメリットを活かすことができます。

しっかりキャンバーボードに乗れるようなボードコントロールができるようになると、滑りが上達するので、初心者の方にも硬すぎないキャンバーボードはおすすめです。

■キャンバー おすすめモデル

BURTON「CUSTOM」

 

 

 

スノーボード ベンド <ロッカー>

■形状・構造

板のセンター部分が接雪していて、先端(ノーズ・テール)に向かって反りあがる形状です。
ロッカー=揺り子(揺りかご・揺りいすなどの弓形の底材)という意味です。

■特徴

メリット
・取り回しが良い。
足下(バインディング)部分が接雪しない形状なので、板をズラしたり、回転させたりするのが楽に行えます。
エッジが引っ掛かりにくいので、逆エッジになりにくいのも特長のひとつです。
・過重がしやすい。
揺り子のように板が振れる構造なので、テール側に荷重するとノーズが浮き、ノーズ側に荷重するとテールが浮く、というシンプルな板の反応になります。
プレス系のトリックや、軽く弾くようなジャンプ・スピン系のトリックがしやすいので、低速~中速のグラトリ向きです。

デメリット
・安定性が低い。
接雪している部分が短い形状なので、安定性・エッジグリップは低めです。
高速になったときに板がバタついたり、ジャンプの着地でズレたりしやすいです。
・反発力が低い。
板のたわみをサスペンションのように活かして反発を得られるキャンバーボードなどに比べて、ロッカーは反発を得にくい形状です。

■どんな人に向いている?

取り回しが良く、扱いやすいのがロッカーボードの特徴なので、逆エッジを避けたい初心者の方や、気軽にスノーボードを楽しみたい方に向いているベンド(形状)です。

荷重するポイントを変えるだけで、プレスが入るので、低速~中速くらいのグラトリメインの方にもおすすめです。

ハイスピードで滑ったり、カービングメイン、高回転のグラトリなどにはあまり向かない形状なので、上手く"遊んで"乗れるとロッカーボードの特性を活かせると思います。

低速~中速くらいで滑る初心者の女性ボーダーでも、ロッカーボードは扱いやすいのでおすすめです。
(ハイスピードになるとバタつきを抑えるのが大変なので、女性でも上級者の方にはあまりおすすめはしません)

■ロッカー おすすめモデル

BURTON「STYLUS」(レディース/フラットトップ)

 

 

 

スノーボード ベンド <ダブルキャンバー>

■形状・構造

アルファベットの「W」のように、2つのキャンバー構造を入れた形状です。
ブランド・メーカーにより、ダブルキャンバーでも接雪のポイントや、キック(反り上がり)の位置が変わります。
基本的には、板のセンター部分とノーズ・テールの少しセンター寄りの部分が接雪、両足下(バインディング)部分が雪面から浮いた形状のものが多いです。
ダブルキャンバーを含め、シンプルなキャンバー・ロッカー以外の形状のものを、総じて「ハイブリッド」と呼ぶこともあります。

■特徴

メリット
・バランスが良い。
キャンバーとロッカーの中間くらいの乗り味のため、全体的なバランスが取れた形状と言えます。
ロッカーボードより安定感があり、キャンバーボードより取り回しがしやすいというダブルキャンバーのモデルが多いです。
・オールラウンドで乗れる。
ダブルキャンバーであれば、ある程度ハイスピードになったときも、低速で遊ぶ時も乗りやすいので、ゲレンデ上部から低速になるコース下部まで、いろいろな乗り方ができます。

デメリット
・どっちつかずになる可能性がある。
ハイスピードでの安定感や反発力はキャンバーボードよりも低く、取り回し・操作性はロッカーボードよりも低くなるので、どっちつかずという印象のダブルキャンバーボードもあります。
・ブランド・モデルにより差が出やすい。
純粋なキャンバー形状、ロッカー形状よりも、ダブルキャンバー=ハイブリッドの方が自由度が高いため、各ブランド・モデルで、同じような形状にしていても特徴が出やすいです。
それぞれのブランド・モデルで、個性や独自のテクノロジーを入れたりしているので、ひとくちにダブルキャンバーと言っても、違う乗り味になることが多いです。

■どんな人に向いている?

1本でいろいろな乗り方をしたい方や、コンディションが変わりやすいゲレンデで滑ることが多い方に、ダブルキャンバーボードはおすすめです。
朝一のパウダーランから、圧雪バーンでのカービング、緩斜面でのグラトリなど、いろいろな滑り方をする人には、便利で乗りやすいと思います。

中級以上のグラトリをしたい方にもおすすめのベンド(形状)です。
取り回し・操作性が重くなく、ハイスピードでの安定感もあり、板の反発をしっかり得られるので、グラトリにも適しています。
最近では高回転のグラトリが流行していることもあり、各ブランドのグラトリ向け人気モデルはダブルキャンバーの板が多いです。

カービングをしたいという方にはキャンバーの方が良いですし、気軽に遊びながら滑りたい方はロッカーの方が良いと思いますが、まだどんなスタイル(滑り方)が好きなのか、どんな滑りがしたいのか決まっていない初心者の方も、取っつきやすい乗り心地のモデルが多いのでおすすめです。

■ダブルキャンバー おすすめモデル

FNTC「TNT R」

 

 

 

スノーボード ベンド <パウダー>

■形状・構造

前足からノーズ側にかけて強いキック(反り上がり)が入っている形状です。
両足間はキャンバー形状のモデルが多いです。
ノーズ(板の前方側)が反り上がることで、深い雪の中でも浮力を得られやすい構造になっています。

■特徴

メリット
・浮力に優れている。
パウダーボードという名前の通り、パウダー(新雪・深雪)での浮力が最大の特徴です。
ノーズ側が反り上がっているだけでなく、荷重のポイントもテール(後ろ側)になっているので、自然と後ろ荷重になり、ノーズが浮きやすくなっています。
・荒れた雪面に強い。
ブランド・モデルの説明ではあまり推されていませんが、意外と荒れた雪面でも乗りやすいです。
硬くなったコブやアイスバーンは苦手ですが、春先のシャバ雪などは、板をズラすようにターンすると意外と楽しく乗れます。

デメリット
・活かせるタイミングが少ない。
パウダーでの滑りやすさを前提に作られているので、パウダーが狙えるエリアや、パウダーを狙って滑りに行くという方でないと、パウダーボードのメリットを活かし切るのが難しいと思います。
・スイッチで滑れない・滑りにくい。
基本的にスイッチスタンス(前後逆)での滑走は想定されていないので、グラトリなどには向きません。
特にスワローテール(テールが二股に割れている形状)などパウダーに特化したモデルだと、一瞬スイッチスタンスになっただけでもドキッとすることがあるので、注意が必要です。

■どんな人に向いている?

パウダーランをメインにする中級者・上級者向けの板です。
パウダーが狙えるゲレンデで滑ることが多い方や、バックカントリーなどでは欲しくなる板ではあります。

普通にゲレンデで滑るメインの板に、パウダーの日用のセカンドボードとして買うのがベターだと思います。

新雪・深雪の場合、パウダーを滑る技術が必要になってくるので、初心者の方は避けるべきベンド(形状)と言えます。

■パウダー おすすめモデル

BURTON「FISH」

 

 

今回はスノーボードの「ベンド」と呼ばれる形状・構造について紹介しました。

スノーボードを買う際に、欲しいベンドが決まると選びやすくなります。
例えば、ベンドはキャンバーに絞って探した場合、各ブランドのキャンバーボードを選んで、その中で初級者向け・上級者向けと分けると、選択肢が絞られます。

次回以降の記事でも、スノーボードの選び方をポイント・要素ごとに紹介していきたいと思います。